繰延税金資産が回収出来るかどうかの判断基準

税効果会計で計上される繰延税金資産を回収する為には、ある一定の判断基準が有ります。

 

主な基準となる物は、企業の過去の業績、これからの業績の予測になります。これらの基準によってどれだけの回収が出来るのかを予測します。

 

以下に税効果会計での判断基準として事例を挙げて説明します。

 

先ずは今期計上された将来減算一時差異と、今期計上された、または過去3年以上で計上された課税所得を比較して課税所得の方が遥かに上回っている場合には、回収出来る可能性が高いと判断出来ます。

 

次は、当期や過去3年間において安定した業績を上げていて、将来的に考えても安定した業績が期待できると見込まれている場合で、今期計上された課税所得が将来減算一時差異を上回る事が出来ない場合、将来減算一時差異が過去3年間に計上された課税所得の範囲内に収まっているのであれば、回収出来る可能性が高いと判断できます。

 

次は、企業の業績が良かったり悪かったりと不安定である場合で、今期計上されている課税所得が将来減算一時差異を上回る事が出来ないと踏んだ場合、または税務上に繰越欠損金がある場合でも将来的に習得できる課税所得を見積もり、一時差異等が将来的に解消されると見込まれた物が、合理的に計画された物であるならば回収される可能性が高いと判断できます。しかし、計画された物で無いならば回収の可能性は低いと判断せざるを得ないでしょう。

 

上記以外にも、回収の可能性がある判断基準は有りますが、ある一定の判断基準があると言う事がお分かり頂けたと思います。