繰延税金資産は回収の可能性があるのか
税効果会計では繰延税金資産と言う項目が有りますが、この項目は将来的に過去に発生した一時差異が解消される期に対して、法人税と言う様な税金の支払い額を減額させてくれる効果が期待できる物になります。
しかし、繰延税金資産として計上するには前提となる物が有ります。それは過去に発生した一時差異が将来的に解消される迄の期間内に将来減算一時差異を課税所得によって相殺出来る事です。
つまり、以下に挙げる要件のいずれかを満たしている必要が有ると言う事なのです。
先ず最初は、企業が将来的に見ても業績が良好であると考えられる場合、課税所得が発生する可能性が有る期間として、将来減算一時差異が解消される期で有る事、繰越欠損金が発生している時の繰越期間で有る事が挙げられます。
次に、将来減算一時差異が解消される期で有る事、または繰越期間で有る事の場合、例え企業の業績が悪かったとしても、課税所得を発生させる為に資産を売却する事が出来る事。
以上の他にも有りますが、こう言った要件が満たされている事が前提となります。
そこで問題となるのが、繰延税金資産が回収出来るのかと言う点です。
何故かと言うと、繰延税金資産が上記の条件に該当しなくても計上された場合、資産や利益が計上されたとしても架空計上になってしまうからです。
こうなると回収は難しくなってきてしまいますので、十分に情報収集をしたりスケジューリングを立てたりする必要が税効果会計では有るのです。