永久差異と一時差異
税効果会計で使っている用語に「永久差異」「一時差異」と言う言葉があります。
税効果会計を行う際には、会社法と税法の両方で項目を取り扱う必要がありますが、その2つで取り扱われている項目で異なっている項目は調整をしなくてはなりません。
その扱いが異なる分の項目の事を、税効果会計では永久差異と一時差異と呼び、この2つに大きく分類されると言って良いでしょう。
先ず「永久差異」についてですが、会社法と税法で扱われている差異が永久的に解消しない事を指しています。
例えば交際費についてですが、会社法においては妥当額だと判断される限り認められるのですが、税法においては一定額しか認められていません。
税務上、一度損金とされなかった交際費は永久的に損金になる事はないので、会社法と税法で永久的に差異が生じたままになり、この事を「永久差異」と呼んでいます。
次に「一時差異」についてですが、会社法と税法で扱われている差異がいずれは解消される事を指しています。
例えば昨年期、会社法上貸倒損失として計上された物が、税法上における貸倒要件を満たさない場合、税法上では損金として扱われなくなります。
しかし今期になって貸倒要件が満たされるまでになり、税法上でも損金として処理出来るようになった場合、会社法と税法が扱いとして一致される事になる為、差異が解消されます。この事を一時差異と言う様に呼んでいます。
税効果会計で対象となる差異は一時差異だけになります。それは税効果会計が会社法と税法に生じた差異を調整する会計処理だからです。