税効果会計の仕分けを考える

税効果会計ではどういう仕分けをして、どういう計算を行っているのでしょうか。

 

税効果会計では、繰延税金資産や繰延税金負債の回収の可能性を検討しながら税効果計算を行います。その後計算した結果を計上する為に、仕分けを行う様になります。

 

しかし、税効果会計では一時差異を「資産」「負債」のどっちに計上したらいいのか判断しづらいと言う場合も多く、混乱してしまう場合が多いと思います。この混乱を避ける為に損益計算書を作成して税効果の仕分けをしようと考えている方が多いと思います。

 

税効果会計で仕分けをする場合には、アプローチ方法が2つ有り、「貸借対照表から考える方法」「損益計算書から考える方法」と有ります。方法によってどのアプローチ方法を利用するか変わってくるのですが、資産負債法を使って仕分けをする場合には貸借対照表を利用するのが良いでしょうし、繰延法を使って仕分けをする場合には損益計算書を利用するのが良いと思います。税効果会計の新会計基準では通常、資産負債法を採用していますので、貸借対照表を利用してアプローチする方が良いと思います。

 

例えば、損益計算書を利用してアプローチする場合には、税務上と会計上で計上した異なる費用や収益に対して法人税等調整額を、反対に計上しなければなりません。反対に計上すると言うのも混乱の元になりますが、まだ良いと思います。それ以上に大変なのが、その後に税率に変更が出てしまったり、利益や損失が発生したりする場合、大変混乱する事になってしまい、仕分けも出来なくなってしまいます。

 

その点、貸借対照表を利用するアプローチはシンプルですので、仕分けがしやすいと言えるでしょう。