実効税率
税効果会計では「実効税率」と言う言葉が使われています。実効税率とはあまり聞かない言葉だと思いますが、税効果会計では使われている言葉なので以下に説明したいと思います。
税効果会計で使用されている税率と言うのは、納税を実際に行う時に計算で使われる税率とは違います。
法人の方が納税をする際には、国税である「法人税」の他に、「事業税」、都道府県免税・市町村民税と言った「住民税」も合わせて納税しなくてはなりません。
こう言った税金面を全て合算して考慮した上で実効税率を算出し、税金を計算して行きます。
実効税率の計算式は、[法人税率+(法人税率×住民税率)+事業税率]/(1+事業税率)になります。
但し、住民税と事業税に関しての税率は、標準的な税率を採用している訳ではなく、制限税率またはそれに近い税率を使用している自治体が意外と多いと言う事実が有ります。
例を挙げて言うと、住民税率が20.7%、事業税率10.08%、法人税率30.0%で計算してみると実効税率は42.05%になりますので、この税率が使用される事になります。
これは東京23区の場合の計算になりますが、年間所得が800万円以下の場合については、比較的低めの税率が適用される事になりますので、合わせて実効税率も低くなると言う事になります。
またこれにより、結果として節税効果が生じる可能性があります。この事は事業税が支払われる日を含んでいる事業年度に対して、損金算入が行われている為と言われています。